不思議な世界

今日図書館で寝ながら読み終わったもの。小説現代特別編集 エソラ [esora] Vol.1 2004.12 (Kodansha mook)

これもまた、伊坂さんの新作が載っていた雑誌『エソラ』を買った。そのときに、一緒に掲載されていたのが渡辺さんの『俺たちの宝島』という短編(中編?)。すごく印象的だったので、渡辺さんの本を探して、『象の棲む街』に辿り着きました。
ファンタジーの賞をとっているからジャンルとしてはたぶんファンタジーなのだろう。
『俺たちの宝島』にしても『象の棲む街』にしても「汚い世界」を描く。人間の汚さではなく、物理的(?)に汚い世界を描く。臭ってきそう。我々の感覚からして不潔ということ。象の棲む街
でも、物語に自然に入り込んでしまうのは、そんな世界が全く現実の世界と不連続ではありえないから、なのだと思う。ごみ問題、エネルギー不足の問題に行き詰まることになれば、人間の生活は極限状態に陥り、こんな世界が創造されかねない。
この一冊は、地球上で横暴な振舞いを続ける人間への警鐘なのではないかな。