島田荘司

勉強したり、本を読んだり、の日曜。

本格である。毎度のことながら本格は手に取るまでに時間がかかる。というのは、お決まりのパターンに、なにかしら躊躇があるのだ。必ず人が殺されるし。(言っておくがミステリが好きだからといって殺人を嗜好するわけではない。)作品全体として、陰湿な空気が漂っているし。などなど。 だから、なかなか読む気が起きない。
でも読み始めると、何故か安心感みたいなものに乗って最後まで読み進めることが出来る。これはおそらく、新喜劇と同じ心理によるものだろう。
ところで。
以前も書いたが、私は「館」が好きだ。本格といえば「館」。「館」といえば本格。である。事の起こりは、綾辻行人の十角館であるが、それ以来、館が出てくる度に胸踊り、心弾む次第である。
『斜め屋敷…』は文字通り斜めに傾いた屋敷が出てくる。
「その通り。ただそれだけのために、この家は傾けてあるのさ。」(作中より)
ただそれだけのために…ね。動機も気に入りました。さすがミステリ界の重鎮(?)である。