青春と変態

青春と変態

覗き。その反対にあるものとは何であろう。自省、自慰、あるいは隠す、ということか。いずれも共通するのは他人に見られないことであるが、あるいは逆に「見せること」も主客逆転の意味で覗きの反対に位置するものと言える。
…だからってどーもしないけどね。
青春とは「青い」か「春」かって言われたら断然「青い」もの。そして青いが故に「痛い」もの。この小説は、その「痛さ」が存分に溢れている。しかし、その痛さの昇華の仕方、簡単に言ってしまえばラスト、終わらせ方が旨い。(旨いからこそ小説で、小説であるためには旨くなければならない筈なのに、世の中そんな小説ばかりではない。ま、そんなことは私の戯言。どうでも良いとして…)。大人が読めば、あぁ青春の痛みよ・・・、ってなことになるんだと思う。良識的な人間ならね。 んで「青春」真っ只中の高校生諸君が読めば、なんらか「悩める痛み」に対しての思考、思惑、嗜好の一助になるのだろう。良い刺激だ。