第二夜

第二回受賞作  清涼院流水 『コズミック』

コズミック流 (講談社文庫)コズミック水 (講談社文庫)先週紹介したばかりですが。書影は文庫版。
前にも書いたけど、好き嫌いの激しい流水師。その著作は小説じゃなくて流水大説といいます。だから流水師は小説家じゃなくて「大説家」。どうでもよい、って?いや、ここは大切です。試験に出ます。
「一年で一二〇〇人を密室で殺す」との予告状が元旦に警察に届く。そして予告どおりに密室殺人は1日3件のペースで起こり始める。…という破格の犯罪。しかも上巻は殺されてばっかで何も解決無し!うざーい。
さらに、この事件に挑むのは河原町御池に本部ビルがあるというJDC(日本探偵倶楽部)という組織の探偵達。しかもこの組織は警察と共同捜査が認められてるというから驚き。…どうなのその設定。
とにかく読むしかない!読んでみて、好きならとことん好いて、嫌いならとことん嫌って下さい。
言葉遊びが好きな人は好きかもねー。
ってなことで、私は好きです。
10点。
満点。いきなり出しました!


第三回受賞  蘇部健一 『六枚のとんかつ

六枚のとんかつ (講談社文庫)
あまりにも馬鹿らしくて、あまりにも下品で、「最低だ」「ゴミだ」「クズだ」との批判をいっぱい浴びた問題作、蘇部健一(そぶけんいち)『六枚のとんかつ』。メフィスト賞で唯一の短編集です。
噂はかねがね聞いていたので「どんなもんかなぁ…でもまぁ活字になってるくらいだからそこまでではないだろうな」と甘く考えていたら…これは…下品です。馬鹿です。ゴミです。笑。まぁそんなことは一部(大部分?笑)に言えることであって、ミステリとして良い作品もありますよ。
『しおかぜ⑰号四十九分の壁』 どこぞの三文トラベルミステリみたいなタイトルですが、こいつは傑作ですよ。あまりにも馬鹿らしくて単純すぎて、皆さんも騙される筈です。
他の作品はひど過ぎて良く覚えていません(いや、他にもいいものはあったかもだけど。)が『しおかぜ…』だけで読む価値あり、の一冊です。
7点。
ほんとは8点あげたいところだけど、森ミステリと並べるのはどうかということで。ね。